「最近、古着屋巡りにハマっているけど、タグやポップによく書かれているデッドストックってどういう意味なんだろう?」
古着の世界に足を踏み入れると、必ずと言っていいほど耳にするこの言葉。
なんとなく「古くてレアなもの」というイメージはあるけれど、ヴィンテージと何が違うのか、なぜそんなに重宝されるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
実はデッドストックは、古着好きの方にとって「ロマンの塊」とも言える特別な存在なんです。
この記事では、古着初心者の方に向けて、デッドストックの本当の意味やヴィンテージとの違い、そして多くのファンを魅了するメリット・デメリットをわかりやすく解説していきたいと思います!
ぜひ最後までご覧ください。
1. デッドストックとは「当時のまま眠っていた新品」のこと
ファッションや古着の文脈における「デッドストック」とは、一言で表すと「生産された当時のまま、誰の手にも渡らずに残っていた新品」のことです。
通常、30年も前の服であれば、誰かが着てボロボロになっていたり捨てられていたりするのが当たり前。ですが、奇跡的に倉庫の奥で眠り続け現代になって発見されたものがデッドストックと呼ばれます。
新品なのにも関わらず、なぜ「デッド(死んだ)」という言葉が使われるのか。
次の章からは、デッドストックの本当の意味と定義を深掘りしていきたいとおもいます。
1-1.本来の意味は「売れ残り」や「不動在庫」
言葉の成り立ちを見てみると、少しネガティブな意味が含まれていることがわかります。
・Dead(デッド): 死んでいる(動いていない)
・Stock(ストック): 在庫
直訳すると「死に在庫」、つまり「売れ残り」という意味になります。
一般の小売業界や倉庫管理の用語としては、「長期間売れずに残ってしまった不良在庫」を指すため決して良い意味では使われません。
しかし、これが古着の世界になると意味が180度変わります。
「売れ残ってくれたおかげで、新品のまま現代に残ってくれた」という感謝と敬意を込めて、ポジティブな意味で使われているのです。
1-2.古着市場での定義は「生産当時のままの新品」
古着市場においてデッドストックと認定されるには、単に「きれいな中古」ではいけません。基本的には以下の条件を満たしているものが該当します。
①未着用・未洗濯(水を通していない)
②当時の紙タグや箱が残っている
③当時の梱包袋に入ったまま
つまり「時代は古いが、状態は新品」であることが基本的なデッドストックの条件となります。
現代の量産品とは違う、数十年前の縫製、生地の質感、独特のディテールを作られたその時のコンディションで味わえるのがデッドストックの定義であり最大の魅力です。
1-3.海外での呼び名は「NOS(New Old Stock)」
古着屋さんや海外のオークションサイトを見ていると「NOS」という表記を見かけることもあります。
「New Old Stock(ニューオールドストック)」の略称で、意味はデッドストックと全く同じです。
英語圏では「Dead stock」よりも「NOS」という表現の方が一般的である場合も多いです。
「NOS」という表記があれば、「ああ、これはデッドストックのことだな」と認識して間違いありません。
2. 古着好きを魅了するデッドストック特有の良さ
ユーズドの古着と比べると、デッドストックの価格は高くなりがちです。
それでも、多くの古着ファンやコレクターがこぞってデッドストックを追い求めるのには、それだけの理由があります。
ここでは、大人の男性がハマる「デッドストックならではの3つの魅力」をご紹介します。
2-1.イチから育てる楽しみ!自分だけの「エイジング(経年変化)」
自分だけの「エイジング(経年変化)」を楽しめるのがデッドストックの最大の魅力と言っても過言ではありません。
通常の古着は前の持ち主の体型や癖に合わせて、すでに色落ちやシワがついています。
それは「味」でもありますが、あくまで他人が作った歴史です。
しかしデッドストックは、まっさらな状態から自分の体型やライフスタイルに合わせて育てていくことができます。
デニムであれば、バキバキに硬い糊がついた状態から履き込み、自分だけのヒゲやアタリを作ったり、ミリタリージャケットならパリッとした生地を、着用と洗濯を繰り返して自分の体に馴染ませたりなどの体験ができます。
30年、40年前のアイテムを最初のオーナーとして使い始める贅沢はデッドストックでしか味わえません。
2-2.衛生面も安心!当時の質感を味わえる「最高コンディション」
「古着の雰囲気は好きだけど、知らない人が着た服を着るのはちょっと抵抗がある……」 実は古着初心者の男性からよく聞く悩みの一つです。
デッドストックは基本的に「未使用品」なので、他人の汗や汚れ、古着特有の生活臭を気にする必要がありません。衛生面でのハードルを感じている方にとって、最も安心して楽しめる古着の形と言えます。
また、当時の生地の質感を「作られたそのままの状態」で体感できるのも大きなメリットです。 現代の大量生産品とは違う、昔ながらの肉厚なコットンや丁寧で頑丈な縫製技術を、劣化のない最高のコンディションで肌に感じることができます。
2-3.資産価値アリ!二度と生産されない「希少性」の高さ
デッドストックは、一種の「埋蔵金」のようなものです。
メーカーが生産を終了しているため、今、世の中に残っているものが全てであり、その数は減ることはあっても絶対に増えません。
・「30年前に作られた新品」が見つかること自体が奇跡
・年々数が減っているため、今後さらに価格が高騰する可能性がある
このように、デッドストックは「資産価値のあるアイテム」としても非常に魅力的です。 「世界で残り数着かもしれない服を、自分が持っている」という所有欲を満たしてくれる点は、大人の趣味として極上の満足感を与えてくれます。
3. 購入前にチェック!デッドストックならではの注意点
新品同様の状態で手に入るデッドストックですが、あくまで「数十年前の古いもの」であることに変わりはありません。
現代の新品の服を買う感覚で選んでしまうと、思わぬ落とし穴にハマることがあります。
購入してから後悔しないために、デッドストック特有の3つの注意点をチェックしておきましょう。
3-1.未洗い製品における洗濯後の「縮み」とサイズ感
デッドストックを購入する際、最も気をつけなければならないのが「サイズ選び」です。
特にデニムやコットンのシャツ、ミリタリーパンツなどは当時の「未洗い(リジッド/ノンウォッシュ)」の状態で売られていることが多いです。購入後に初めて洗濯機に入れて乾かすと生地がギュッと縮む可能性が高いです。
「普段はMサイズだから」とタグのM表記を信用して買うと、現代のSサイズくらい小さかったり逆に極端に身幅が広かったりします。
縮み分を計算して少し大きめのサイズを選ぶのが鉄則です。
3-2.長期保管による「ヤケ(日焼け)」や「パーツの経年劣化」
「新品」とはいえ、長期間倉庫で保管されていたため、経年によるダメージを受けている場合があります。
通販の場合は備考欄をしっかり読み、実店舗の場合は広げて明るい場所で「折り目の変色」や「ゴムの伸縮性」を目で見て手で触って確認しましょう。
※古着好きの中には、このヤケを「雰囲気・味」として好む人もいますが、初心者のうちは綺麗なもの選ぶのが無難です
新品なのに状態が悪い!とならないためにも、デッドストック品では長期保管による経年劣化はしっかりと確認するようにしましょう。
3-3.希少性がゆえの「価格相場」の高さ
デッドストックはアイテムにもよりますが、同じモデルのユーズド品(中古)と比較すると、価格が数倍〜数十倍に跳ね上がるケースがあります。
「いつか手に入らなくなる」という希少価値(プレミアム価格)が上乗せされているためです。
とにかく安く古着を楽しみたいという場合は、味のあるユーズド品を選ぶのも賢い選択。 逆に「多少高くても、一生モノとして長く着られる新品が欲しい」という場合は、デッドストックにお金をかける価値は十分にあります。
消費ではなく投資やコレクションと考え、納得できる一着を選びましょう。
4. 【豆知識】混同しやすい「ヴィンテージ」と「デッドストック」の違い
古着に興味を持ち始めたばかりの頃、この2つの言葉の違いに迷うことはよくあります。
結論から言うとこの2つは対立する言葉ではなく、ヴィンテージは「年代」を、デッドストックは「状態」を指します。
「ヴィンテージ(古い年代の服)」という大きな枠組みの中に、人が着て味わいが出た中古品と新品のままのデッドストックの2種類が存在しています。
「デッドストックもヴィンテージの一種」と覚えておけば間違いありません。
同じ30年前の「ヴィンテージデニム」でも、ユーズドかデッドストックかで、その性質は大きく異なります。 それぞれの特徴を比較表にまとめました。
|
特徴 |
ヴィンテージ |
デッドストック |
|
主な状態 |
着用済み(中古) |
未着用・未洗濯(新品) |
|
生地の質感 |
柔らかい、体に馴染んでいる |
硬い、ハリがある(糊付きなど) |
|
見た目 |
色落ち、シワ、使用感がある |
当時のままの色、シワがない |
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価値の魅力 |
前の持ち主が作った「味・雰囲気」 |
これから自分で育てる「可能性」 |
|
価格相場 |
状態や物による(ピンキリ) |
高値になりやすい |
この矛盾こそがデッドストックの面白さであり、ユーズド(中古)にはない唯一無二の立ち位置と言えます。
5. デッドストックから古着の沼へ。
いかがだったでしょうか?
この記事では、古着用語の「デッドストック」について、言葉の意味やヴィンテージとの違い、その奥深い魅力などを深く解説させていただきました。
「そろそろ、使い捨てではない良いモノを長く使いたい」と考え始めた方にとって、デッドストックは最高の選択。
誰かが着古した「アジ」を受け継ぐのも古着の良さですが、真っさらな新品から、あなたの生活に合わせてシワや色落ちを刻んでいく贅沢は、デッドストックでしか味わえません。
デッドストックは単なるファッションアイテムを超えて、人生と共に歩む「一生モノの相棒」になってくれるはずです。








