イタリア発祥の高級ファッションブランド「グッチ(GUCCI)」。
ロゴマークやデザインは世界中で愛され、ファッション業界における確固たる地位を築いています。
しかし、その背後には創業者グッチオ・グッチから始まる栄光と苦難が交錯する壮絶な一族の歴史が隠されています。
映画「ハウス・オブ・グッチ」でも描かれた一族の内紛や殺人事件など、華やかな外観からは想像できない波乱の物語。それでも時代を超えて愛され続けるグッチの魅力とは何なのでしょうか?
本記事では、グッチの特徴や歴史、現在の人気ラインまでわかりやすく解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
1. なぜここまで人気に?グッチの特徴3選。
グッチは1921年にイタリア・フィレンツェで創業した、世界を代表するラグジュアリーブランドです。100年以上の歴史を持ち、今なお多くの人々を魅了し続けています。
では、グッチが長年にわたって愛され続ける特徴とは何でしょうか?
この章では、グッチの特徴について解説していきたいと思います。
1-1. トレンドデザインのアイテムが豊富
グッチの最大の特徴は『トレンドデザインのアイテムが豊富なところ』です。
クリエイティブディレクターが変わるたびに新しい風を取り入れながらも、グッチらしさを失わない絶妙なバランス感覚が魅力です。
2015年からクリエイティブディレクターを務めたアレッサンドロ・ミケーレは、レトロ感とエクセントリックな要素を組み合わせた独自の美学を築き上げ、グッチを再び若い世代に人気のブランドへと進化させました。
最近では2023年から就任したサバト・デ・サルノが、よりミニマルかつ洗練されたデザインを打ち出し、幅広い年齢層に支持されています。このように時代のトレンドを取り入れながらも、常に一歩先を行くデザインセンスがグッチの大きな魅力となっています。
1-2. 良質の素材を使用したものが多い
グッチのアイテムは厳選された上質な素材へのこだわりが強いです。
創業当初からレザーグッズで名を馳せ、特に高品質な革製品に定評があります。
バッグや財布に使われる上質なレザーは、柔らかな肌触りと耐久性を兼ね備えています。
イタリアの熟練された職人による丁寧な縫製と細部へのこだわりがグッチのアイテム価値をさらに高めています。
使い込むほどに味わいが増し、長く愛用できるのもグッチアイテムの特徴と言えるでしょう。
1-3. 多くの芸能人も愛用している
グッチの人気を語る上で欠かせないのが、世界中のセレブや有名芸能人からの支持です。
ハリウッドスターやミュージシャン、モデル、インフルエンサーなどなど…。
ジャンル問わず様々な分野の著名人がグッチを愛用しています。
日本でも多くの人気芸能人や女優がグッチのアイテムを愛用しており、特に30代〜40代の女性に人気があります。芸能人がプライベートでグッチを身につける姿は、SNSやファッション誌を通じて拡散され、ブランドの魅力をさらに高めています。
グッチのアイテムを持つことがひとつのステータスとなり「自分らしさを表現できるブランド」としての地位を確立しています。
グッチのアイテムを持つことで、トレンドを取り入れながらも品のある大人の女性らしさを演出できるのが、多くの女性に支持される理由と言えるでしょう。
2. 一族経営が災いに。映画化されたグッチの歴史
グッチの歴史は、華やかなファッションの世界の裏側で繰り広げられた、一族の野望と確執の物語でもあります。
現代では順風満帆にも見えるグッチというブランドですが、一体過去にどんな歴史を持っているのでしょうか?
さて、この章では、映画「ハウス・オブ・グッチ」でも描かれた壮絶な歴史を紐解いていきましょう。
2-1. グッチオ・グッチによって創業
グッチの歴史は1881年にイタリア・フィレンツェで生まれたグッチオ・グッチから始まります。
若い頃にロンドンのサヴォイホテルでポーターとして働いていた彼は、上流階級の旅行者が使用する高級な革製品に魅了されました。
1921年、40歳になったグッチオは故郷フィレンツェに戻り小さな革製品店を開業。
当初は馬具や乗馬用品を扱っていましたが、その卓越した品質とデザインが評判を呼び、やがて上流階級の顧客を獲得していきました。
グッチオは「品質、職人技、伝統」という今日までグッチが大切にしている価値観を確立。彼の革新的な精神と職人としての誇りが、世界的なラグジュアリーブランドの礎となったのです。
2-2. 映画の小道具に採用され黎明期に突入
第二次世界大戦後、イタリアでは革の調達が困難になりました。
この危機を乗り越えるため、グッチオの息子アルドはキャンバス生地に特殊なコーティングを施した「GGキャンバス」を開発。このデザインのアイテムは今日でもグッチの代表的なアイテムに使用されています。
グッチが世界的に注目されるきっかけとなったのは、ハリウッド映画の小道具としてグッチの製品が採用されたことでした。
1953年、オードリー・ヘプバーン主演の映画「ローマの休日」で、グッチのアイテムが登場したことでグッチの名は一躍世界に知られるようになりました。
グッチの洗練されたデザインはジャッキー・ケネディやグレース・ケリーなどの歴史に名を残すセレブにも愛用され「上流階級のステータスシンボル」としての地位を確立していきました。
2-3. 一族の元凶 パオロ・グッチがセカンドラインを展開
1970年代に入ると、グッチは家族経営としての限界に直面します。
グッチオの息子アルドの息子であるパオロ・グッチは、家族の反対を押し切って独自のセカンドラインを展開しようとしました。
このパオロの行動が、グッチ一族間の深刻な亀裂の始まりとなります。
彼は家族の同意なくグッチの名を冠したブランドを立ち上げようとして訴訟を起こされ、さらには脱税の疑いで父親を当局に密告するという事態にまで発展。
家族の信頼関係は完全に崩壊していきました。
映画「ハウス・オブ・グッチ」では、このパオロの人物像が、ジャレッド・レト演じる少々滑稽でありながらも悲劇的なキャラクターとして描かれています。
2-4. 三代目グッチ殺害事件。最大の低迷期
グッチ家の確執がピークに達したのは1995年、グッチオの孫であり、最後にグッチ家が経営権を持っていたマウリツィオ・グッチが、自宅前で何者かに射殺されるという衝撃的な事件が起きたときでした。
後に明らかになったのは、この殺人の背後にいたのが彼の元妻『パトリツィア・レッジャーニ』だったという驚愕の事実。
彼女は離婚後も「マダム・グッチ」と呼ばれることを望み、子供たちの遺産相続権を守るためにこの極端な手段に出たとされています。
映画 ハウスオブグッチでは、レディー・ガガがこのパトリツィアを、愛と野心、そして復讐に燃える複雑な女性として熱演。
グッチ一族の事件はグッチブランドにとって最大の危機となり、イメージの失墜と共に経営も低迷期を迎えることになりました。
2-5. トムフォードが再建。ケリンググループ傘下に入る
家族の悲劇と経営危機に瀕していたグッチを救ったのは、1990年代にクリエイティブディレクターに就任したトム・フォード。
大胆かつセクシーなデザインでグッチに新しい息吹を吹き込み、ブランドを見事に再建しました。
同時に、経営面でもグッチは大きな転換期を迎えます。
家族経営の限界を痛感したグッチは、1999年までに全ての株式がフランスの高級品コングロマリットPPR(現ケリング)グループに売却され、完全に一族の手を離れることになりました。
このプロフェッショナルな経営体制への移行と、トム・フォードの手によってグッチは21世紀に向けて生まれ変わりました。その後も、フリーダ・ジャンニーニ、アレッサンドロ・ミケーレ、そして現在のサバト・デ・サルノと、時代を代表するデザイナーたちがブランドを率いて、グッチは現在も変わらぬ人気を誇っています。
家族の栄光と没落、裏切りと復讐という、ハリウッド映画さながらの波乱万丈の歴史を歩んできたグッチ。
しかし、その試練を乗り越えて今なおファッション界をリードし続けるブランドの強さこそ、真のラグジュアリーと言えるのかもしれません…!
3. 【定番】グッチの人気ライン5選!
グッチには長い歴史の中で育まれてきた数々の人気コレクションがあります。
初めてグッチのアイテムを購入する方も、これから新しいアイテムを検討している方も、まずは定番の人気ラインを知っておくことが大切です。
ここでは、グッチを代表する5つの人気ラインを詳しく解説します。
3-1. GGキャンバス
グッチといえば、まず思い浮かぶのが「GGキャンバス」でしょう!
このシグネチャーデザインは、創業者グッチオ・グッチのイニシャルからインスピレーションを得た「GG柄」が特徴です。
第二次世界大戦後の素材不足を背景に開発されたGGキャンバス。
耐久性と撥水性を兼ね備えたこのキャンバス素材は、当初は必要に迫られて生まれたものでしたが、やがてグッチの象徴となりました。
現在もバッグ、財布、ベルトなど、様々なアイテムに使用されており、特に初めてグッチを購入する方に人気です。クラシックなカラーはベージュ×ダークブラウンですが、近年ではカラフルなバリエーションも展開され、幅広い年齢層に支持されています。
使いやすさと耐久性を兼ね備えているため、デイリーユースできる高級ブランドアイテムを探している方には特におすすめです。
3-2. GGマーモント
アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブディレクターに就任してから発表された「GGマーモント」コレクションは、現代のグッチを代表するラインの一つです。
1970年代のアーカイブからインスピレーションを得た、重なり合う「G」のロゴ金具。このレトロ感あふれるデザインはヴィンテージ感と現代のセンスを絶妙に融合させています。
GGマーモントのアイテムは、バッグ、財布、ベルト、シューズなど幅広く展開されており、特に「GGマーモント ショルダーバッグ」は30代〜40代の女性に大人気です。
キルティングで作られたソフトレザーの質感は高級感があり、カジュアルからフォーマルまで様々なシーンで活躍します。
3-3. ディオニュソス
ギリシャ神話の酒神ディオニュソスにちなんで名付けられた「ディオニュソス」コレクションも、アレッサンドロ・ミケーレによって生み出された人気ラインです。
このラインの特徴は、馬の蹄鉄をモチーフにしたユニークなタイガーヘッドクラスプ(留め具)にあります。クラシカルでありながらも個性的な要素が加わり、コンテンポラリーな魅力を放っています。
様々なバリエーションが展開されており、フェミニンでクールなスタイルを好む方に特に人気です。ショルダーバッグやトートバッグなど、サイズやスタイルも豊富で自分らしさを表現できるアイテムとして支持されています。
3-4. インターロッキングG
「インターロッキングG」は、お互いに向かい合った二つの「G」が組み合わさったデザインで、グッチの最も象徴的なモチーフの一つです。1960年代に導入されたこのロゴは、グッチオ・グッチの頭文字を取ったものと言われています。
このモチーフを使用したジュエリーやアクセサリー、ベルトは不動の人気を誇ります。
シンプルながらも存在感のあるデザインはビジネスシーンからカジュアルな装いまで、幅広いスタイリングに馴染みます。
控えめながらも洗練されたブランドアピールを求める方におすすめです!
3-5. ホースビット
グッチの歴史と深く結びついているのが「ホースビット」モチーフです。
創業者グッチオ・グッチが馬具店を営んでいた時代にインスピレーションを得たこの馬の轡(くつわ)のデザインは、1950年代に初めて登場しました。
ホースビットローファーはグッチの代名詞とも言えるシューズで、ビジネスからカジュアルまで様々なシーンで活躍します。上質なレザーと洗練されたデザインは、年齢を問わず長く愛用できるクラシックアイテムとして支持されています。
4. 昔のアイテムを彷彿とさせるオールドグッチのアイテム4選
近年、ヴィンテージ感あふれる「オールドグッチ」が再び注目を集めています。
かつてのグッチのデザインを現代的に解釈した新しいコレクションは、クラシックなデザインを好む方や、グッチの歴史に魅力を感じる方から高い支持を得ています。
ここでは、昔のグッチを彷彿とさせる現代のアイテムをご紹介します。
4-1. オフィディア
「オフィディア」は、1950年代から1960年代のグッチのアーカイブにインスピレーションを得たコレクションです。
クラシックなGGキャンバスに赤と緑のウェブストライプをあしらったデザインは、馬の鞍を固定するために使われていた馬具のストラップからインスピレーションを得たもので、グッチの起源を思い起こさせるディテールです。
オフィディアはトートバッグやショルダーバッグ、スモールレザーグッズなど幅広いアイテムで展開されており、古き良き時代のグッチの雰囲気を現代に蘇らせています。
伝統的なデザインながらも実用性に優れていることからデイリーユースにも最適。特に30代〜40代の女性に人気があり、「品のあるカジュアル」を演出したい方におすすめのラインと言えるでしょう。
4-2. GUCCI DIANA
2021年に復活した「GUCCI DIANA/グッチ ダイアナ」は、故ダイアナ妃が愛用したとされているバンブーハンドルトートバッグのリバイバル品です。
オリジナルのシンプルで洗練されたデザインを踏襲しながらもハンドルにはレザーベルトが加えられ、コンテンポラリーな要素が加わっています。このベルトはもともとバンブーハンドルの形を保つためのものでしたが、現代版では遊び心のあるアクセントとなっています。
上質なレザーと職人技が光るこのバッグは、ビジネスシーンからエレガントなお出かけまで幅広く活躍。現代的な解釈が加わったことで新鮮な魅力を放っています。
4-3. グッチ ホースビット 1955
2020年に発表された「グッチ ホースビット 1955」コレクションは、1950年代に登場したホースビットバッグのアーカイブから生まれました。
名前の通り、馬の轡をモチーフにしたホースビットが特徴的なこのコレクションは、グッチの創業時からのルーツである馬具の世界への敬意を表しています。時代を超えた魅力を持つデザインはノスタルジックでありながらも現代的です。
ショルダーバッグ、トートバッグ、ミニバッグなど様々なスタイルで展開されており、キャメルやブラックなどの定番カラーは、フォーマルファッションにも馴染む上品さが魅力です。
シンプルながらも洗練されたデザインが、長く愛用できる価値あるアイテムとして、ファッションに敏感な30代〜40代の女性から支持を集めています。
4-4. グッチ バンブー 1947
「グッチ バンブー 1947」は第二次世界大戦後の物資不足の中、革の代替素材として竹(バンブー)をバッグのハンドルに使用したという革新的なデザインが由来です。当時は必要に迫られて生まれたこのデザインが、今やグッチを象徴するアイコンとなっています。
2021年に現代的に再解釈されたこのコレクションは、バンブーハンドルの伝統的な製法を守りながらも、よりコンテンポラリーな要素を加えています。一つひとつハンドメイドで作られるバンブーハンドルは、熟練の職人が火であぶりながら曲げるという伝統的な技法で作られており、グッチの卓越した職人技を象徴しています。
トップハンドルバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグなど様々なスタイルが展開されており、クラシックなエレガンスを大切にする女性に人気です。特にフォーマルなシーンやビジネスシーンでその真価を発揮するアイテムと言えるでしょう。
5. まとめ:現代でも絶大な支持を受けるブランドのグッチ。
いかがだったでしょうか?
今回の記事では、グッチの特徴や壮絶な一族の歴史、定番の人気ラインや伝統を継承したコレクションについて詳しく見てきました。
創業から100年以上の歴史を持つグッチは、時代の変化とともに進化し続けながらも、その本質的な価値を失うことなく、今なお多くの人々を魅了し続けています。
皆さまにとっての知識となっていれば幸いです。